この記事の目的
今やビジネスにおいてコンピュータ・情報・通信などを中心とする「IT用語」に対する知識は欠かせません。
あまり馴染みがない各分野のIT用語を、なるべく専門用語を使わずに解説していきます。
この記事の対象読者
Web制作を始めたばかりの人。
自社のWebマーケティングを任された人。
専門用語についていろいろ知りたい人。
Webマーケティングを行なっているが、言葉の定義を再確認したい人。
など、Webに限らずDXに携わるすべての方に。
Ruby on Railsとは
Ruby on Railsは、Rubyプログラミング言語で書かれたWebアプリケーションフレームワークで、2004年にリリースされました。
現代のWebアプリケーション開発において、効率的かつ迅速に開発を行うことが求められているため、開発者たちはさまざまなフレームワークを用いてアプリケーションの構築を行っています。Ruby on Rails(通称:Rails)は、その中でも特に人気のあるWebアプリケーションフレームワークのひとつです。
Ruby on Railsの特徴
Railsはコードがシンプルで可読性が高いことが特徴です。また、Railsは「規約より設定」(Convention over Configuration)という設計哲学に基づいており、開発者が開発効率を向上させることができます。Railsの主な特徴は以下の通りです。
設定より規約
「設定より規約」(Convention over Configuration)とは、ソフトウェア開発の設計哲学の一つで、開発者が煩雑な設定作業を行わずに済むよう、あらかじめ適切なデフォルト設定や慣習(規約)が提供されている状態を指します。この哲学は、主にフレームワークやライブラリの開発において採用されます。
「設定より規約」の具体例
例えば、ある鉄道会社の運行システムを開発する場合を考えましょう。このシステムでは、列車の運行情報を管理するためのデータベースが必要です。データベースには「駅」と「列車」の情報を格納するテーブルがあります。
「設定より規約」を採用していないフレームワークでは、開発者は次のような設定を行う必要があります。
- 駅情報を管理するテーブルと、それに対応するモデルやコントローラーの名前を指定する。
- 列車情報を管理するテーブルと、それに対応するモデルやコントローラーの名前を指定する。
- 各テーブルのカラム名と、それに対応するモデルの属性名を指定する。
これに対して、「設定より規約」を採用したフレームワーク(例:Ruby on Rails)では、次のような規約があらかじめ設定されています。
- テーブル名は複数形で、対応するモデル名は単数形のキャメルケースであること。
- モデル名と同じ名前のコントローラーが存在すること。
この規約に従って開発を行うと、以下のような命名が自動的に行われます。
- 駅情報を管理するテーブル名はstations、対応するモデル名はStation、コントローラー名はStationsControllerとなる。
- 列車情報を管理するテーブル名はtrains、対応するモデル名はTrain、コントローラー名はTrainsControllerとなる。
このように、「設定より規約」を採用することで、開発者は煩雑な設定作業を行わずに、アプリケーション開発に集中することができます。また、チーム開発においても、共通の規約があらかじめ設定されているため、コードの一貫性が保たれやすくなります。
MVCモデル
RailsはMVC(Model-View-Controller)モデルを採用しています。MVCアーキテクチャの役割は以下の通りです。
Model: データベースとのやり取りやデータの構造、ビジネスロジックを担当します。
View: データの表示方法やUIを定義する役割を担当します。
Controller: ユーザーからのリクエストを処理し、適切なModelやViewを呼び出す役割を担当します。
これにより、アプリケーションの構造が整理され、コードの再利用性や保守性が向上します。
自動化されたテスト
Railsには、自動化されたテストフレームワークが組み込まれています。開発者はアプリケーションの品質向上と保守性を高めるためのテストを簡単に実施することができるため、品質の高いアプリケーションを開発することができます。
豊富なプラグイン
Railsは、豊富なプラグイン(Gem)が提供されており、機能の追加や拡張が容易です。これにより、アプリケーションのスケーラビリティが高まり、開発者は迅速に機能を追加・拡張することができます。
Ruby on Railsの利用例
Railsは多くの企業や団体で利用されており、その活用範囲は広がっています。以下に、Railsを用いたWebアプリケーションの代表的な例を挙げます。
ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)
オンラインショッピングサイト
ブログやニュースサイト
コンテンツマネジメントシステム(CMS)
教育プラットフォーム
企業内ポータルサイト
まとめ
Railsは多くの企業や団体で利用されており、その活用範囲は広がっています。ソーシャルネットワーキングサービス、オンラインショッピングサイト、ブログやニュースサイト、コンテンツマネジメントシステム、教育プラットフォーム、企業内ポータルサイトなど、さまざまなWebアプリケーションの開発に適しています。