「できればランニングコストがかからない“無料レンタルサーバー”を契約したい!」という方は多いのではないでしょうか? しかし、種類豊富なレンタルサーバーがあると、どれを選んでよいのか選択が難しいですよね。また「無料」と聞くと、お得なイメージがありますが、事業者向けとしてはおすすめできません。
本記事では、気になる無料レンタルサーバーの特徴、メリット・デメリットを詳しく解説します。また、おすすめの無料レンタルサーバーもご紹介します。個人用に無料レンタルサーバーを検討中の方も、事業用に検討中の方も、ぜひ参考にしてみてください。もしも、「無料サービスだから機能が制限されていて、使い物にならないだろう」とお考えであれば、イメージが変わるかもしれませんよ。
そもそも“レンタルサーバー”とは何か?
レンタルサーバーとは、簡単に言えば「ホームページを公開する機能」と「メールを送信・受信する機能」を備えたサービスです。名称がレンタルサーバーなので、サーバー(物理的なコンピューター)を貸し出すものだとイメージされる人も多いと思いますが、実は違います。レンタルサーバーはインターネットを介して利用するものであり、物理的に機材を貸し出すものではありません。レンタルサーバーでレンタルできるのは、メールの送受信やホームページ作成で使用する「データの保存場所」です。「サーバー内の領域」を貸し出す(レンタルする)サービスなので、レンタルサーバーという名称で呼ばれています。
無料レンタルサーバーの特徴
まず、一般的な無料レンタルサーバーの特徴をご紹介していきます。なお、無料レンタルサーバーには種類がさまざまあり、提供する業者によって機能・サービスに差があります。記事後半ではおすすめの無料レンタルサーバーをご紹介していきますが、全てのサービスが以下の特徴に当てはまるわけではありません。あくまで一般的なイメージとしてとらえてください。
- 広告表示がある
- 機能が制限されている
- サポートがない
広告表示がある
費用が無料である代わりに、レンタルサーバー業者の意図によりウェブサイト上に広告が表示されるケースがあります。これは、レンタルサーバーの用途によっては致命的だと感じる方もいるでしょう。特に問題になるのが、自動表示される広告と制作サイトのジャンルが全く異なる場合です。
レンタルサーバーは主にサイトやホームページ開設のために利用しますが、個人や企業にかかわらず、公開するウェブサイトの内容は多種多様です。自動表示される広告とウェブサイトのジャンルが近いケースもあるでしょうが、大半は異なるジャンルの広告が表示されます。異なるジャンルの広告が出てしまうと、ウェブサイトで伝えたい自分や自社のイメージが歪んでしまうかもしれません。そのため、サーバーを利用する目的が会社ホームページの開設であれば、特におすすめできません。
ただ、無料のレンタルサーバーを提供するサーバー業者によっては、スペックは低いけれども無料で広告表示なしのサーバーを提供しているケースもあります。広告の表示がどうしても嫌だという方はそうしたサーバーを検討してもいいかもしれません。
機能が制限されている
無料提供のレンタルサーバーなので、機能が充実しているケースは少ないといえます。どの無料レンタルサーバーサービスも、メールやホームページの運用における必要最低限の機能になっているはずです。
そもそも、無料のレンタルサーバーだけでは収益を得られないため、提供業者にはそれぞれ他の目的があるはずです。自動で入る広告もそのひとつですし、別の有料サービスへの流入を考えている場合もあります。無料サーバーはサービスを知ってもらう入口で、最終的には有料サーバーに移行してほしいといった目的があるのです。有料サービスへの移行が目的であれば、無料のサービスを充実させようとは思わず、逆に機能制限をかけるのが自然です。そのため、無料のレンタルサーバーはどれも機能が最低限となっているのです。
試しに使用してみるなど、機能制限が影響しないほどの利用目的の方にはおすすめできる部分もありますが、本格的にレンタルサーバーの運用を考えている場合は、間違いなく有料版を選ぶべきです。
サポートがない
無料のレンタルサーバーには、基本的にサポートがありません。ユーザーマニュアル等の手順書はあっても、電話やメールなどによるサポート対応はないケースがほとんどです。
例えば、利用者目線ではなく提供側目線で考えてみてください。費用をもらえない無料サービスに対して、サポート人員を用意するのは困難なはずです。無料のレンタルサーバーを利用する場合、不明点があっても自分自身で調べて対処するしかないと心得ておきましょう。
無料レンタルサーバーのメリット
無料レンタルサーバーにおいて、メリットとしておすすめできる点は、ズバリ「無料である」点だけです。コストが全くかからずレンタルサーバーを利用できるため、利用者にとってコスト面でのダメージは一切ありません。レンタルサーバーがどんなものか試してみたい方にとっては、無料に勝るメリットはないでしょう。
しかし、無料以外のメリットはほぼないのも事実。おそらく、無料レンタルサーバーを検討されている方も「無料(コストがかからない)」である点のみを検討の入り口として考えているはずです。
無料レンタルサーバーのデメリット
無料であることは強烈なおすすめポイントですが、無料であるがゆえに機能の制限があり、長期運用を考える場合にはデメリットのほうが大きいといえます。実際に「無料サービスはおすすめできない」と他の人から言われた方がいるかもしれません。なぜおすすめできないのかというと、長期的にサイト運営をしていくうえで致命的なデメリットが多すぎるからです。
2章の「レンタルサーバーの特徴」3つもすでにデメリットといえますが、無料のレンタルサーバーにはさらに大きなデメリットがあります。ここでは、数多くあるデメリットのなかから特にインパクトの大きなデメリットを2つお伝えします。
- 独自ドメインが設定できない場合がある
- WordPressが利用できない場合がある
独自ドメインが設定できない場合がある
無料レンタルサーバーでは、独自ドメインを設定できないケースが多く見受けられます。独自ドメインを設定できるかどうかは、用途によっては非常に重要な部分です。仮に無料レンタルサーバーを個人利用ではなく、会社としての利用で検討しているのであれば、特におすすめできません。なぜかというと、事業用であれば独自ドメインの利用がほぼ必須に近いからです。個人利用であったとしても、公開するホームページの質を高めていきたいのであれば独自ドメインは取得すべきだと筆者は考えます。
「とりあえず自分個人のホームページがあればいい」程度であれば、サーバー業者が発行する無料のドメインでいいかもしれません。しかし、将来、独自ドメインに変更したいとなった場合、ホームページデータを移動させる必要が出てくる可能性があります。データの移動は「引越し」と呼ばれます。住居の引越しと同様に物(データ)を丸ごと全部他の場所に移動させなければならず、非常に手間が掛かります。もし独自ドメインの利用も見据えているのであれば、今の時点で無料ではなく独自ドメインが利用できて機能も充実した有料レンタルサーバーを検討するのが断然おすすめです。
WordPressが利用できない場合がある
無料レンタルサーバーでWordPress(ワードプレス)が利用できない場合があることも、致命的なデメリットとなり得ます。サーバーを借りればすぐにホームページが作れるわけではありません。ほとんどの場合、サイト制作のためにはサーバーにWordpressなどのホームページ制作ツールをインストールする必要があるのです。
WordPressとは、ホームページ制作にほぼ必須ともいえるホームページ制作のためのツールです。世界的にも、ホームページの制作にはWordpressを使うのが主流になっており、世界のホームページの33%はWordPressで作られているといわれています。実にホームページの3つに1つはWordPressを使っているのです。
WordPressをレンタルサーバーで使う場合、レンタルサーバーがWordpressを使う条件を満たしている(Wordpressに対応している)ことが必須です。しかし、無料のレンタルサーバーの場合、Wordpressに対応していないケースがあるため注意が必要です。Wordpress対応有無については、提供元のホームページに仕様として掲載されているはずです。あなたがもしもWordpress利用を希望しているなら、コスト面だけにとらわれずに、スペックをしっかりチェックしましょう。
おすすめの無料レンタルサーバーを紹介!
ここまで、無料レンタルサーバーの特徴と、メリット・デメリットをご紹介しました。無料レンタルサーバーに対して明確なイメージがもてたかと思います。
ここからは、おすすめの無料レンタルサーバーサービスをいくつかご紹介します。費用が無料であるのは共通ですが、各社サービス内容が異なります。もしもレンタルサーバーを検討中で“無料=使い物にならない”と思い込んでいる方は、一度、無料サービスをチェックしてみるのもいいでしょう。サイトの運用の仕方によっては、十分に利用できるサービスもあります。
以下4つが、今回ご紹介する無料のレンタルサーバーサービスです。
- XFREE
- スターサーバーフリー
- 忍者ホームページ
- XREA byGMO
XFREE(WordPress機能あり)
ディスク容量 | 2GB | メールアドレス利用 | × |
独自ドメイン利用 | ○ | 独自SSL | × |
WordPress利用 | ○ | 広告表示有無 | あり |
レンタルサーバー大手のエックスサーバーが運営する無料レンタルサーバーサービスです。「HTMLサーバー機能」「PHP・MySQLサーバー機能」「WordPress機能」の3プランが用意されており、用途によって選べ、スペックが異なります。なんとHTMLサーバー機能は広告表示がありません。機能は制限されますが、利用したい条件を満たしているのであれば選択肢に入るかもしれません。
スターサーバーフリー(フリー PHP+MySQL)
ディスク容量 | 2GB | メールアドレス利用 | × |
独自ドメイン利用 | ○ | 独自SSL利用 | × |
WordPress利用 | ○ | 広告表示有無 | あり※1 |
※1:スマートフォンのみ
レンタルサーバー業者「ネットオウル株式会社」が提供する無料のレンタルサーバーサービスです。XFREEと同様に3つのプランが提供されており、用途に応じて選択できます。スターサーバーフリーの「フリー」プランは、Wordpressの利用ができない代わりに広告表示がありません(スマートフォンからの表示のみ広告表示あり)。つまり、全プラン共通でパソコンにおいては広告表示がないのです。スマートフォンの普及により、スマートフォンでホームページを見る方は多いとは思いますが、もしもパソコン利用者向けのホームページを開設予定であれば、広告表示なしは大きなメリットだといえます。
忍者ホームページ
ディスク容量 | 500MB | メールアドレス利用 | × |
独自ドメイン利用 | ○ | 独自SSL利用 | 不明 |
WordPress利用 | × | 広告表示有無 | あり |
上記のスペックだけ見ると容量が少なく、Wordpress利用ができないなど、機能制限の多さが目立つ気がします。ただ、忍者ホームページの特長は340種類からサブドメイン(URL)を選べる点です。ドメインはインターネット上の住所にあたり、ホームページやメールに使われます。(本記事のドメイン名はspeever.jpです。)個性的なサブドメインでホームページを公開したいと考えるのであれば、選択肢に入ってくるでしょう。
XREA(無料プラン)
ディスク容量 | 1GB | メールアドレス利用 | ○ |
独自ドメイン利用 | ○ | 独自SSL利用 | ○ |
WordPress利用 | ○ | 広告表示有無 | あり |
レンタルサーバー大手のGMOグループが提供する無料サービスです。容量は1GBと少なめですが、機能が充実しており、なによりサポート(メールとチャット)がついています。不明点があればレンタルサーバーのプロに問い合わせできます。少なめの容量と広告表示に我慢できるのであれば、さまざまな用途に対応できるサーバーでしょう。
企業向けにおすすめ!スピーバーのレンタルサーバー
最後に30秒だけ、弊社(ライド株式会社)が運営するレンタルサーバーサービス「スピーバー」を紹介させてください。
スピーバーは事業用サイトにおすすめのレンタルサーバーです。最も安いプランは月額1,540円(税込)でご提供しております。スピーバーのレンタルサーバーは全プラン共通で「メールアドレスの登録数は無制限」「Wordpress利用可能」「電話サポートあり」です。容量も安心の50GBをご用意しています。
電話サポートについては、導入前のご相談から導入後のご利用に至るまで何度でもお問合せいただけます。ドメインに関する内容、セキュリティに関する内容などさまざまなご質問に丁寧にご返答いたします。
レンタルサーバーを初めてご検討いただいている企業の方も、既に契約中のサーバーの乗り換えを考えている企業の方も、ぜひご検討ください。