この記事の目的
今やビジネスにおいてコンピュータ・情報・通信などを中心とする「IT用語」に対する知識は欠かせません。
あまり馴染みがない各分野のIT用語を、なるべく専門用語を使わずに解説していきます。
この記事の対象読者
Web制作を始めたばかりの人。
自社のWebマーケティングを任された人。
専門用語についていろいろ知りたい人。
Webマーケティングを行なっているが、言葉の定義を再確認したい人。
など、Webに限らずDXに携わるすべての方に。
Reactとは
Reactとは、Facebookによって開発されたJavaScriptライブラリです。
Reactは、Webアプリケーションのインターフェース作成に特化しています。シングルページアプリケーションやモバイルアプリケーションの開発に広く使用されており、様々なWebサイトで採用されています。
Reactの特徴
Reactの特徴をいくつか紹介します。
コンポーネント指向の開発
Reactは、コンポーネントと呼ばれる再利用可能なUIブロックを作成することに重点を置いています。コンポーネントを利用することでコードの再利用性が向上するため、アプリケーションの開発が容易になり、メンテナンスが簡単になります。
JSXという独自の記法
Reactは、JSXという独自の記法を使用しています。JSXはJavaScriptのコードにHTMLのようなタグを直接書くことができます。この記法により、コンポーネントツリーの記述が簡単になり、コンポーネントの再利用が促進されます。
仮想DOMによる高速処理
Reactは仮想DOMを使用しています。仮想DOMは実際のDOM(Document Object Model)のレンダリングを最小限に抑え、必要な部分だけ再レンダリングすることができます。仮想DOMによって、パフォーマンスが向上し、高速なUI更新が可能になります。
豊富なドキュメント
ReactはFacebookによって開発されており、技術者コミュニティも大規模なため、Reactについての豊富な学習資料や事例が共有されています。
拡張性が高い
Reactは、様々なライブラリやフレームワークと組み合わせることができます。つまりReactをベースにしたWebアプリケーションやモバイルアプリケーションを、多様な環境で構築することができます。
Reactが向いていないケース
以下のようなケースではReactを使うことが適していない場合があります。
単純なウェブサイトの場合
Reactは、複雑なWebアプリケーションの開発に向いているため、単純なウェブサイトの開発には向いていない場合があります。単純なウェブサイトであれば、静的なサイトやCMSを使用することが多いです。
小規模なアプリケーションの場合
Reactは小規模なアプリケーション開発にも向いていません。小規模アプリケーションにReactを使用すると、かえって開発コストが過剰になる可能性があります。
SEOが重要な場合
検索エンジンのクローラはJavaScriptによるクライアントサイドレンダリングを認識しません。つまりSEOに不向きです。このデメリットをカバーするためにReactは、SEOのためのサーバーサイドレンダリングをサポートしていますが、他のフレームワークに比べてSEOに対するサポートが弱いとされています。
ReactとAngularJSの違い
ReactはAngularJS(アンギュラージェイエス)とよく比較されます。どちらもフロントエンドのWebアプリケーション開発フレームワークですが、以下のような違いがあります。両者の違いを説明します。
React
- コンポーネント指向のアーキテクチャを採用しており、再利用性が高く、メンテナンス性が高い
- 仮想DOMを使用することで高速なレンダリングを実現している
- シンプルで学習コストが比較的低く、大規模なコミュニティがある
AngularJS
- MVCアーキテクチャを採用しており、複雑なアプリケーションを構築するのに向いている
- 双方向データバインディングを使用しているため、パフォーマンスの問題が生じることがある
- 機能が豊富であるが、学習コストが高い。コミュニティはReactに比べると小規模である
Reactはシンプルで高速なWebアプリケーションを構築したい場合に向いており、AngularJSは複雑なアプリケーションを構築したい場合に向いているとされています。
まとめ
ReactはUI作成に特化したJavaScriptライブラリです。高速なレンダリング、高いメンテナンス性、シンプルで学習コストが低い、などの理由で注目されています