この記事の目的
今やビジネスにおいてコンピュータ・情報・通信などを中心とする「IT用語」に対する知識は欠かせません。
あまり馴染みがない各分野のIT用語を、なるべく専門用語を使わずに解説していきます。
この記事の対象読者
Web制作を始めたばかりの人。
自社のWebマーケティングを任された人。
専門用語についていろいろ知りたい人。
Webマーケティングを行なっているが、言葉の定義を再確認したい人。
など、Webに限らずDXに携わるすべての方に。
Djangoとは
https://docs.djangoproject.com/ja/4.2/
現代のインターネット社会では、多くのWebアプリケーションが私たちの生活を支えています。開発者は、Webアプリケーションを効率的に開発・運用するために、さまざまなフレームワークを利用しています。その中で、PythonをベースとしたWebアプリケーションフレームワークの代表格であるDjango(ジャンゴ)が広く使われています。この記事では、Djangoの概要と特徴、そしてどのように使われているのかについて解説します。
Djangoの特徴
Djangoは、2005年にリリースされたPython製のWebアプリケーションフレームワークです。Pythonの人気が高まる中、Djangoも多くの開発者に支持されており、さまざまなWebアプリケーションの開発に使われています。Djangoの主な特徴は次の通りです。
MVTモデルを採用
DjangoはMVT(Model-View-Template)モデルを採用しています。これはMVC(Model-View-Controller)アーキテクチャと似ていますが、TemplateがControllerの役割を果たしています。MVTアーキテクチャにより、データ処理(Model)、表示ロジック(View)、テンプレート(Template)が独立して管理され、開発効率や保守性が向上します。
MVTモデルとMVCの違い:
MVT(Model-View-Template)は、Djangoフレームワークで採用されているアーキテクチャパターンです。以下の3つのコンポーネントに役割が分かれています。
- Model: データベースとのやり取りやデータの構造、ビジネスロジックを担当します。
- View: ユーザーからのリクエストを処理し、適切なModelやTemplateを呼び出す役割を担当します。
- Template: HTMLやその他のテンプレート言語を使って、データを表示するレイアウトやスタイルを定義します。
MVC(Model-View-Controller)は、一般的なソフトウェアアーキテクチャパターンで、多くのフレームワークで採用されています。MVCは以下の3つのコンポーネントに役割が分かれています。
- Model: MVTのModelと同様に、データベースとのやり取りやデータの構造、ビジネスロジックを担当します。
- View: データの表示方法やUIを定義する役割を担当します。
- Controller: ユーザーからのリクエストを処理し、適切なModelやViewを呼び出す役割を担当します。
MVTとMVCの違いは、主にViewとTemplate(MVT)とController(MVC)の役割の違いです。MVTでは、Viewがリクエストを処理し、適切なModelやTemplateを呼び出す役割を担当していますが、MVCでは、Controllerがその役割を担当しています。また、MVTのTemplateは、表示を担当する部分であり、MVCのViewに相当します。
MVTはDjangoの独自なアーキテクチャであり、MVCとは役割の分担が異なりますが、どちらもアプリケーション構造の整理とコードの再利用性や保守性を向上させることを目的としています。
自動管理ツール
Djangoには、自動生成される管理ツールが付属しています。これにより、データベースの操作やコンテンツの管理が容易になります。また、カスタマイズも可能なため、独自の管理インターフェースを迅速に構築することができます。
高いセキュリティ
Djangoは、セキュリティ対策が重視されており、デフォルトでXSS(クロスサイトスクリプティング)対策やCSRF(クロスサイトリクエストフォージェリ)対策が実装されています。これにより、開発者は安全なWebアプリケーションを容易に開発することができます。
Djangoでできること
Djangoは多くの企業や団体で利用されており、その活用範囲は広がっています。以下に、Djangoを用いたWebアプリケーションの代表的な例を挙げます。
Webサイトの構築
- コンテンツ管理システム(CMS)
- ブログやニュースサイト
- 企業のポータルサイト
- 電子商取引(eコマース)サイト
Webアプリケーション開発
- ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)
- 教育プラットフォーム
- プロジェクト管理ツール
- インターネットサービス(IoT)アプリケーション
データ処理と分析
- データベース管理
- データの可視化
- 機械学習やAIを組み込んだアプリケーション
セキュアなWebアプリケーション開発
- ユーザー認証と認可
- セキュリティ対策(XSS, CSRFなど)
- セキュアなAPI開発
上記はあくまで一例であり、Djangoの柔軟性と拡張性を活用すれば、さらに多くの機能やアプリケーションを開発することが可能です。
まとめ
Djangoは、Pythonベースの使いやすいWebアプリケーションフレームワークで、MVTアーキテクチャや再利用可能なアプリケーション設計、自動管理ツール、セキュリティ対策、多言語対応など、多様な機能を備えており、幅広い用途で利用されています。これらの特徴を理解し、適切な方法でDjangoを活用することで、効率的なWebアプリケーション開発が可能となります。