この記事の目的
今やビジネスにおいてコンピュータ・情報・通信などを中心とする「IT用語」に対する知識は欠かせません。
あまり馴染みがない各分野のIT用語を、なるべく専門用語を使わずに解説していきます。
この記事の対象読者
Web制作を始めたばかりの人。
自社のWebマーケティングを任された人。
専門用語についていろいろ知りたい人。
Webマーケティングを行なっているが、言葉の定義を再確認したい人。
など、Webに限らずDXに携わるすべての方に。
Bottleとは(Pythonのフレームワーク)
https://bottl-translate-ja.readthedocs.io/en/latest/
Bottleは軽量でシンプルなPythonのマイクロフレームワークです。一つのPythonファイル(つまり「シングルファイル」)として構成され、外部の依存関係なしに動作します。
Bottleの概要
Bottleは、Marcel Hellkampによって開発され、2010年に初めてリリースされました。Bottleの主な目的は、シンプルで軽量なウェブアプリケーションを開発する仕組みを提供することです。開発を簡素化するため、単一のPythonファイル内にすべてがパッケージ化されています。
Bottleが人気の理由
Bottleが人気になった理由は、アプリケーションの機能の細分化(マイクロサービス化など)という現代のソフトウェア開発のトレンドが大いに関与しています。
マイクロサービスでは、大きなアプリケーションは複数の小さなサービスに分割され、それぞれが独自の機能を持つという構造になっています。これらの各サービスは独立して開発、実行することができます。
このような背景から、必要最小限の機能を持つシンプルなフレームワークの需要が高まりました。Bottleは、単一ファイルの設計と独自のルーティング、テンプレートエンジンの組み込み、プラグインのサポートにより、アプリケーション開発において人気を博しています。
Bottleのメリット
Bottleフレームワークを使用する主な利点は以下の通りです
シンプル
Bottleの最大の特徴は、非常にシンプルで軽量なフレームワークであり、初心者でも簡単に使える点です。BottleはひとつのPythonファイル(bottle.py)で構成されており、そのサイズは非常に小さく、フレームワークの複雑な仕組みを理解する必要がありません。したがってPythonの基本的な知識があればすぐにWebアプリケーションの開発を始めることができます。さらに外部依存性がないため、導入が簡単かつシステムへの影響も最小限に抑えられます。
WSGI環境
BottleはWSGI (Web Server Gateway Interface)に準拠しています。これはPythonのWebアプリケーションとWebサーバー間をつなぐインターフェイスです。WSGIにより、PythonのWebアプリケーションはどのWebサーバーでも動作することが可能となります。つまり、Bottleで開発したWebアプリケーションは、Apache, NginxなどWSGI対応のWebサーバー上であれば動作します。WSGIがあることで、エンジニアはサーバー環境を気せず、アプリケーションの開発に集中できます。
Bottleのデメリット
大規模開発には不向き
Bottleは構造がシンプルな一方で、デフォルトでは必要最小限の機能しか実装されていません。複雑なアプリケーションを作成する場合、必要な機能を自分で追加したり、対応するプラグインを見つけたりする必要があります。
したがって大規模なプロジェクトや複雑なウェブアプリケーションに対しては、機能制限やスケーラビリティの観点から不向きと言えます。
ドキュメントの不足
Bottleについてオンライン上で得られる情報は限られています。解決策やチュートリアルが少ないため、問題の解決策を見つけるのが難しいと言えます。Bottleの公式ドキュメントは詳細であるものの、初心者にとっては理解するのが難しい可能性があります。
FlaskとBottleは構造が似ているため、Flaskを学習した後にBottleを学習すると良いかもしれません。Flaskはオンライン上に情報がたくさんあります。Flaskを通じてWeb開発の基本的な概念を学び、その後でBottleに移行するというアプローチが効果的かもしれません。
まとめ
Bottleはシンプルで軽量なフレームワークで、アプリケーションを短時間で開発することが可能です。ただし大規模なプロジェクトや複雑なウェブアプリケーションの開発には他のフレームワーク(例えばDjangoやPyramid)の使用を検討すると良いでしょう。