この記事の目的
今やビジネスにおいてコンピュータ・情報・通信などを中心とする「IT用語」に対する知識は欠かせません。
あまり馴染みがない各分野のIT用語を、なるべく専門用語を使わずに解説していきます。
この記事の対象読者
Web制作を始めたばかりの人。
自社のWebマーケティングを任された人。
専門用語についていろいろ知りたい人。
Webマーケティングを行なっているが、言葉の定義を再確認したい人。
など、Webに限らずDXに携わるすべての方に。
構造化マークアップとは?
構造化マークアップとは、検索エンジンにコンテンツをより詳細に理解してもらえるように、構造化データのフォーマットにしたがってマークアップする方法です。
検索エンジンはクローラを使ってWEB上に存在する情報を収集します。収集した画像やテキストなどのデータをもとにコンテンツの「テーマ」、「キーワード」、「ジャンル」、「信頼性」などを解析して、検索画面に表示させています。
近年では、この解析の精度をさらに上げるため「セマンティックコーディング」と言われる方法が活用されています。セマンティックとは「意味を持った」という意味で、<header>、<footer>、<nav>、<article>、<section>、<h1>などを駆使したマークアップによって明示的に文章構造を示します。セマンティックコーディングにより検索エンジンはより正確に文章を理解することが可能になりました。今まで検索エンジンにとっては「文章のかたまり」だったものが、「章」、「見出し」、「本文」などに区分けされて一冊の本に製本されたイメージです。
しかしそれでもまだ十分とは言えません。組織名、作品名、商品名などの「固有名詞」は前後の文脈がないと正しく意味を理解することは難しいです。そこで構造化マークアップの出番です。
例えば「ライド株式会社」という社名をマークアップする際に、「これは社名ですよ」と意味を指し示す事で、検索エンジンの解析精度をさらに高めます。
構造化データはあらゆるカテゴリをサポートしており、「組織名」、「出来事」、「人物」、「地名」などの大カテゴリが約10種類あります。さらにその下に小カテゴリとして細分化されています。これらの構造化データをマークアップすることにより、Googleは内容をより正確に理解することができます。
構造化マークアップをするとリッチリザルトが表示される
実は構造化マークアップを施しても検索エンジンからのSEO評価に直接影響はなく、検索順位は変動しません。構造化マークアップのメリットは「リッチリザルト」として特別な検索結果として表示されるようになります。
リッチリザルトは検索結果画面で目立つためユーザーのクリックを獲得しやすくなります。ランキングへの影響はありませんが、トラフィック獲得においてリッチリザルトは効果的な対策になりますので、構造化マークアップは重要度の高い施策と言えます。
構造化データの形式
構造化マークアップに必要な構造化データのフォーマットは、主に以下の2つがあります。
・JSON-LD:JavaScriptを使ってページ内に埋め込む
・microdata:HTMLタグに属性として記述する
※GoogleはJSON-LDを推奨しています。
構造化データはscema.orgで定義されたdata typeを使用します。
https://schema.org/docs/full.html
schema.orgとは、検索エンジンがコンテンツを把握できるように構造化データの定義を作成、管理している共同コミュニティです。schema.orgの仕様どおりにマークアップ(構造化マークアップ)することで検索エンジンの解析精度が上がります。
まとめ
構造化マークアップは、検索結果画面にリッチリザルトを表示する重要な要素です。構造化マークアップの習得とコーディングの手間はかかりますが、WEBサイトにマッチしたユーザーが訪れる確率が高まります。リッチリザルトの表示は検索エンジン次第なので完全にコントロールできませんが、近年の「セマンティックなコーディング」という大きな流れを踏まえても、構造化マークアップを行って損はないと思われます。