この記事の目的
今やビジネスにおいてコンピュータ・情報・通信などを中心とする「IT用語」に対する知識は欠かせません。
あまり馴染みがない各分野のIT用語を、なるべく専門用語を使わずに解説していきます。
この記事の対象読者
Web制作を始めたばかりの人。
自社のWebマーケティングを任された人。
専門用語についていろいろ知りたい人。
Webマーケティングを行なっているが、言葉の定義を再確認したい人。
など、Webに限らずDXに携わるすべての方に。
Flaskとは
https://msiz07-flask-docs-ja.readthedocs.io/ja/latest/
Flaskは、PythonでWebアプリケーションを構築するための軽量でシンプルなフレームワークです。初心者にも扱いやすく、小規模から中規模のプロジェクトに適しています。Pythonの他のWebアプリケーションフレームワークであるDjnagoやpyramid、Bottleなどと比べ、Flaskは比較的小規模向けで学習コストが低いと言われています。
この記事では、Flaskに関連する特徴、メリット・デメリット、注意点について初心者向けに紹介します。
Flaskの歴史
Flaskは、2010年にArmin Ronacherによって作られました。
Arminは、エイプリルフールのジョークとして、1つのファイル内で完全に機能するウェブアプリケーションを作成するというアイデアでこのフレームワークを開発しました。そこからこのアイデアに人気が出て、実際のプロジェクトとして開発が続けられることになりました。
Flaskは必要最小限の機能だけを持つ「マイクロ”フレームワーク」として設計されています。必要に応じて追加の機能を組み込むことができます。つまりFlaskは軽量でありながらも高度にカスタマイズ可能であり、様々な用途に適応可能なWebアプリケーションフレームワークとなっています。
Flaskのメリットと特徴
Flaskはシンプルさと拡張性から、小規模から中規模のWebアプリケーションの開発、あるいはプロトタイピングに最適なフレームワークとなっています。
具体的には以下のような特徴を持ちます。
シンプルで軽量
Flaskは、必要最小限の機能を提供する”マイクロ”フレームワークとして設計されているため、不要なオーバーヘッドが少なく、パフォーマンスが向上します。
開発者の自由度
フレームワーク自体の仕様が最小限抑えられているので、仕様に縛られることなくアプリケーションの設計と構造を自由に決定することができます。
拡張性
Flaskはあらかじめ実装されている機能は少ないですが、必要に応じて追加の機能を組み込むことができます。例えば、データベース接続、フォームバリデーション、アップロード処理、認証技術など、追加のライブラリや拡張機能を利用して実装することができます。
開発の迅速化
Webアプリケーションを迅速に構築できるように、簡単なルーティング、テンプレートエンジン、デバッグモードなどの機能が含まれています。そのため、プロトタイピング開発のような小規模プロジェクトに向いています
豊富なライブラリ
Flaskは、多くのサードパーティ拡張機能との統合が容易であり、開発者は既存のライブラリやツールを利用できます。
Flaskのデメリット
Flaskには多くの利点がありますが、一方でいくつかのデメリットや注意点もあります。
大規模なプロジェクトには不向き
Flaskはシンプルさと拡張性が特徴ですが、この特性は大規模なプロジェクトや高い負荷がかかるアプリケーションには不向きとされています。大規模プロジェクトでは他のフレームワークを検討する必要があり、たとえばDjangoのようなフルスタックフレームワークの方が適していると言えます。
セキュリティ対策
Flaskには基本的なセキュリティ機能が実装されていますが、それ以上のセキュリティ対策を求める場合は開発者自身で実装する必要があります。例えば、SQLインジェクションやクロスサイトスクリプティング(XSS)などの攻撃からアプリケーションを守るためには、適切な拡張機能やライブラリを利用して自分で対策を行う必要があります。
なぜFlaskのようなマイクロフレームワークが使われるのか
従来の開発においては開発に必要な機能を全て揃えたフルスタックフレームワークが人気でした。しかし現代のWebサービスにおいて、Flaskのようなマイクロフレームワークが使われる機会が増えています。その理由はサービスが細分化(マイクロサービス化)されたためです。従来は大きなアプリケーションとして開発されていたサービスが、近年ではより管理しやすい形としてマイクロサービスに分割される傾向があります。マイクロサービスでは各サービスが小規模であるため、Flaskのような軽量で開発スピードの早いフレームワークが適しています。
またFlaskはそのシンプルさから、学習しやすいという利点があります。フルスタックフレームワークは多くの機能と概念を学ぶ必要がありますが、Flaskはその必要が少なく、初心者にも取り組みやすいフレームワークになっています。
まとめ
この記事では、Flaskの特徴、メリット・デメリット、注意点について初心者向けに紹介しました。Flaskは、軽量でシンプルな構造と柔軟性が特徴のWebアプリケーションフレームワークであり、小規模から中規模のプロジェクトやプロトタイピングに適しています。