この記事の目的
今やビジネスにおいてコンピュータ・情報・通信などを中心とする「IT用語」に対する知識は欠かせません。
あまり馴染みがない各分野のIT用語を、なるべく専門用語を使わずに解説していきます。
この記事の対象読者
Web制作を始めたばかりの人。
自社のWebマーケティングを任された人。
専門用語についていろいろ知りたい人。
Webマーケティングを行なっているが、言葉の定義を再確認したい人。
など、Webに限らずDXに携わるすべての方に。
PNGとは
PNGとはPortable Network Graphicsの略で「ピング」もしくは「ピン」と読みます。
画像のファイル形式には様々な種類がありますが、WEBサイト上ではJPG、PNG、GIFの3つが主流です。それぞれ特徴を持っており、目的に応じて使い分けるのが望ましいです。
なかでもPNGはWEBサイトで使用するために生まれた画像形式です。ロゴやアイコンなどに使用され、透過処理が可能、圧縮を繰り返しても画質が劣化しないなどの特徴があります。本記事ではPNGの特徴と用途について説明いたします。
PNGの特徴
PNGには「PNG-8」(8bit)、「PNG-24」(24bit)、「PNG-32」(32bit)の3種類があり、それぞれ表現できる色数が異なります。「PNG-8」は最大256色です。「PNG-24」は最大1677万色(フルカラー)とJPGと同等の色数を扱えますので、写真にも向いています。「PNG-32」は1677万色に加えて256段階の透明度を設定できます。
PNGのメリット
PNGのメリットは以下のとおりです。
- 可逆圧縮なので圧縮前の状態に戻せる
- 透過処理ができる
詳しく見ていきましょう。
可逆圧縮なので圧縮前の状態に戻せる
PNGは可逆圧縮なので、圧縮したあと、劣化すること無く元に戻せます。JPGなどの非可逆圧縮はデータを捨てて圧縮するので画像の圧縮、解凍を繰り返す場合、画質がどんどん劣化してきます。PNGは劣化が起きないため、圧縮や加工を繰り返す場合に向いています。
透過処理ができる
PNGは特定の色を透過色として指定して透過処理が可能です。画像の背景など、透過したい箇所に透過色を指定すると背景が透明になります。さらにPNG-32では256段階透過度を設定できるため、いわゆる半透明を表現できます。
PNGのデメリット
PNGは画質が良いですが、トレードオフとして以下のようなデメリットがあります。
ファイルサイズが大きくなりやすい
可逆圧縮のデメリットとも言えますが、PNGは画像のファイルサイズが大きくなる傾向があります。特に写真のような使っている色が多い画像だと、JPGと見た目が同じ品質であってもサイズは何倍にも大きくなってしまいます。逆に色や線が少ない画像であればJPGよりサイズが小さくなる場合もありますので、イラストなどにおいてはデメリットを抑えて利用できます。
PNG以外の画像形式
WEB上でよく使われている画像形式にはPNG以外にもJPGやGIFがあります。それぞれの特徴は以下のとおりです。
JPG、JPEG(ジェイペグ)
Joint Photographic Experts Groupの略で、拡張子は「.jpg」や「.jpeg」の2種類ありますがどちらも同じジェイペグ形式です。
表現できる色の数は1670万色あるため、写真などに向いている画像形式です。
JPGは「非可逆圧縮」という方法で保存するため、ファイルサイズを抑えつつ高画質な画像を作成できます。保存時に圧縮率を設定ができるため、圧縮率を上げれば画質と引き換えにファイルサイズをさらに小さくできます。ただし「非可逆圧縮」一度圧縮するともとの画質には戻せません。
GIF(ジフ)
Graphics Interchange Formatの略称で、拡張子は「.gif」です。最大256色で構成されるため、アイコンや図形などに向いています。JPGと違い「可逆圧縮」形式で、透過処理が可能です。さらにアニメーションを表現可能な点が他の画像形式と大きく異なります。
PNGの使い所
PNGはファイルサイズが大きくなる傾向があるため、写真などの色が多い画像をPNGにしてWEBサイト上で使うのは避けたほうが良いと言えます。ページの表示速度が遅くなりますし、スマホ利用者にとっては通信容量を多く使ってしまうためデメリットが大きいです。
色が少ないイラストやロゴなどにはPNGが適しています。イラストやロゴにJPGを使用すると線と線の境界がぼやけてしまいますので、できればPNGが良いと思います。また、PNGは可逆圧縮なので加工を繰り返し行う画像にも向いています。
まとめ
PNGはGIFとJPGの特徴をあわせもつ画像形式です。ただしファイルサイズが大きくなりやすいデメリットがあるため、WEBサイトに使用する場合には使い方に注意が必要です。