この記事の目的
今やビジネスにおいてコンピュータ・情報・通信などを中心とする「IT用語」に対する知識は欠かせません。
あまり馴染みがない各分野のIT用語を、なるべく専門用語を使わずに解説していきます。
この記事の対象読者
Web制作を始めたばかりの人。
自社のWebマーケティングを任された人。
専門用語についていろいろ知りたい人。
Webマーケティングを行なっているが、言葉の定義を再確認したい人。
など、Webに限らずDXに携わるすべての方に。
Symfonyとは
Symfony(シンフォニー)は、PHPで開発されたオープンソースのWebアプリケーションフレームワークです。フランスのWeb開発会社Sensio Labsが開発し、コンポーネントベースの設計が特徴で、モジュール化されたコンポーネントを再利用することができます。Webアプリケーション開発を効率的かつ柔軟に行うために設計されており、機能やコンポーネントを組み合わせることで、さまざまなプロジェクトに対応できます。
Symfonyの特徴とメリット
Symfonyは以下のような特徴があります。
再利用可能なコンポーネント
Symfonyは再利用可能なコンポーネントが多数用意されており、それらを組み合わせることで独自のアプリケーションを構築できます。これらのコンポーネントは独立しており他のプロジェクトでも再利用できるので、開発時間を短縮できます。
さらに独自のコンポーネントやサードパーティのコンポーネントを簡単に組み込むことができるので、プロジェクトの要件に応じてカスタマイズしやすくなっています。また必要なコンポーネントを選択して組み合わせて、自由に機能を追加・削除できます。
MVCモデルを採用
SymfonyはModel-View-Controller(MVC)モデルを採用しています。MVCとは、アプリケーションの機能をModel(モデル)・View(ビュー)・Controller(コントローラー)の3つに分割します。
Model:ビジネスロジックやデータベース処理など
View:ユーザーインターフェース
Controller:モデルとビューを制御する
これにより、アプリケーションの構造がフロントエンド側とバックエンド側とで整理され、作業効率が向上します。
大規模開発向け
高いパフォーマンスを実現するための最適化がされており、大規模開発向けのフレームワークになっています。
テストとデバッグが簡単
PHPUnitという組み込みのテスト機能が用意されており、ユニットテストや機能テストを簡単に実行できます。
テンプレートエンジンのTwigを採用
テンプレートエンジンとしてTwigを採用しています。Twigは、高速で柔軟性があり、セキュリティ上の問題を回避できるように設計されたテンプレートエンジンです。
テンプレートエンジンを使用すると、アプリケーションのロジック(バックエンド)部分とビュー(フロントエンド)を分離することができるため、フロントエンドエンジニアはビューの開発に専念できます。
SymfonyとLaravelの違い
以下に、SymfonyとLaravelの違いを表にまとめてみました。
Symfony | Laravel | |
パフォーマンス | 高速 | 低め |
ドキュメント | 充実 | 少なめ |
テスト | PHPUnit | Laravel Dusk |
フレームワーク本体のサイズ | 大きい | 小さい |
データベース操作 | Doctrine | Eloquent |
テンプレートエンジン | Twig | Blade |
Symfonyは高速で安定したパフォーマンスを発揮し、大規模なWebアプリケーションに向いています。また、PHPUnitを採用しているため高度なテストが可能です。一方、Laravelは機能が多いこともあり、パフォーマンスの面では若干劣る傾向がありますが、小規模なWebアプリケーションに向いています。Laravel Duskは、PHPUnitをベースにしたブラウザテストフレームワークであり、UIテストに特化しています
Symfonyは英語ドキュメントが豊富ですが、日本語ドキュメントはそれほど多くありません。
まとめ
Symfonyは高いカスタマイズ性があり、大規模開発に向いています。Symfonyは、無料で使えるECサイト構築システム「EC-CUBE」に採用されており、国内で最大のシェアを誇るECサイト構築フレームワークの一つとしても知られています。
Symfonyは再利用可能なコンポーネントを多数用意し、大規模なWebアプリケーション開発に向いています。また、高いパフォーマンスやテスト機能なども備えていますが、初心者には学習コストが高いため、注意が必要です。