専用サーバーと比べるとコストが非常に安く、自由度やカスタマイズ性の高さで注目を集めているVPS。
しかし、レンタルサーバー(共用サーバー)とVPSの違いがわからない。なじみのない言葉なので、わからない部分も多く導入を迷っている企業担当者もいるのではないでしょうか。
そこで本記事では、レンタルサーバー(共用サーバー)とVPSの違い、メリット・デメリット、選び方のポイントなどを解説していき、最後におすすめのVPSサーバーを6つご紹介します。
どのサーバーを使用したらよいか迷っている方は、ぜひ参考にしてください。
レンタルサーバー(共用サーバー)とVPSの違いとは
レンタルサーバーは共用サーバーといわれるもので、基本的に「1つのサーバーを複数のユーザーで利用するサービス」です。利用可能なディスク容量やデータベースの数など、1ユーザー当たりに割り当てられているリソースによって価格は異なります。
一方VPSの場合物理的なサーバーはひとつですが、ユーザーごとに仮想の専用領域を構築して、専用サーバーのような運用を可能にするサービスです。同じ1台のサーバーを複数の利用者で共有している点においては共用サーバーとVPSは同じであるため、利用者ごとに物理サーバーを用意する専用サーバーほどパフォーマンスは高くありません。しかし仮想化技術により、VPSでは独立した環境と管理者権限が提供されるため、専用サーバーと同等の機能と環境が用意されます。
共用サーバーと異なり、仮想といっても特定ユーザー専用の領域なので、他ユーザーの影響を受けにくい特長があります。他ユーザーのアクセスが増えたから自分のサイトの表示が遅くなるケースは、少ないわけです。好きなソフトウェアをインストールし、自由にカスタマイズできます。ただし、共用サーバーはソフトウェアを入れたり、機能を追加したりはできません。
提供される機能は専用サーバーと同等ながら、共用サーバー並みの低価格で提供されるのがVPSの特長です。
VPSを導入するメリット
VPSは共用サーバー並みの低価格帯でありながら、共用サーバーよりもさらに高い自由度とスペックを備えています。
ほかの利用者の影響を受けにくい
VPSでは、ユーザーごとのサーバー領域にあらかじめCPUやメモリなどのハードウェアのリソースが割り当てられています。
ユーザーはそのリソースを自分専用で使えるため、共用サーバーよりも他ユーザーの影響を受けにくいメリットがあります。
共用サーバーは他ユーザーとサーバーのリソースを共有しているため、一部のユーザーがサーバーに過剰な負荷をかけると、同じ領域内の他ユーザーに支障が出ます。その結果、同じサーバー利用者において「メールが届かない」「ホームページの表示が遅い」などのトラブルが出てしまうのです。
VPSなら自分専用の領域が確保されているため、ほかのユーザーから影響をほとんど受けません。
コストが安い
VPSはコストパフォーマンスのよさが大きなメリットです。サイトの規模や運用方法によっては、共用サーバーでは機能やスペックが足りない場合があります。しかし、スペックが高い上位カテゴリの専用サーバーを契約するとコストが跳ね上がってしまいます。VPSであれば、物理的なサーバー1台を借りる専用サーバーよりもコストを圧倒的に抑えられます。
自由にカスタマイズできる
VPSは契約者自身でCPUのコア数やディスク容量、OSなどを選べます(サーバー業者が用意しているプランによって、一部の仕様が固定されている場合があります)。
大きなメリットは、サーバーの管理者権限(ル―ト権限)が付与される点にあります。管理者権限を付与されているので、サーバーの設定や環境を自由にカスタマイズできます。この管理者権限により、VPSは共用サーバーに比べて自由度が圧倒的に高くなります。ブログの運用などにも欠かせない、独自ドメインの設定も可能です。
共用サーバーでは、管理者権限は付与されません。希望するサーバー環境や用途によって、管理者権限の有無はVPSの重要なポイントです。
VPSのデメリット
メリットだけでなく、もちろんデメリットもあります。VPSの自由度の高さは、高度な専門知識性を要求します。また、共用サーバーよりも高スペックとはいえ限界もあります。どのような設定も自由に行えるわけではありません。
専門の知識が必要
自由度が高い反面、サーバー環境を構築する際には各種リソースに関する知識が、ソフトウェア追加時にはOSの操作に関する知識などが必要になる場合もあります。コマンドラインの操作は、プログラミング経験者ではないと難しいところも多いため、初心者がいきなりVPSから始めるのはハードルが高いかもしれません。
ただし、サーバー事業者に管理をお願いできる「マネージドサービス」や、使いたいプログラムを簡単に追加するための「テンプレート」などを用意してくれているところもあるので、VPSサービスを厳選することで初心者でも扱いやすくなります。
大規模なサイトにとってはスペック不足
大規模なサイトを運営する場合、規模の大きさによってはVPSだとスペックが足りないケースもあります。その場合は「専用サーバー」の利用が必要となるため、用途に合わせて選ぶようにしましょう。
VPSの選び方
ここまでVPSのメリットとデメリットをご説明しました。
次に自分に最適なVPSの選び方を把握しましょう。自社にとってどのようなポイントを優先したいのか、基準をはっきりさせておく必要があります。
ここからはVPSの選び方を5つのポイントからご紹介します。
無料期間の有無
VPSの使用感を把握するには、実際に使ってみるしかありません。契約したいVPSに無料お試し期間があれば、利用するのがおすすめです。
公表されている転送速度などのデータはあくまでも理論値または上限値であり、環境との組み合わせ次第では性能を引き出せない場合があります。契約前の無料期間中にテストを行うのは、非常に大切です。
コスト
VPS選びで重要なのが、コストパフォーマンスです。最近はVPSのプランも幅広く揃ってきており、月額400円から提供しているプランもあるようです。このコストパフォーマンスの高さがVPSの強みです。
料金はサーバーのスペックに比例して高額になりますので、自分に合ったものを選びましょう。
スペック
最初にVPSの利用目的に応じて、以下4項目のスペックが十分なプランを確認しましょう。
・CPUコア数
・メモリ
・ディスク容量
・ディスクタイプ
特にメモリの容量が重要です。割り当てられたメモリ容量以上の処理を行おうとすると、サーバーに不可がかかりトラブルの原因となります。顧客向けのサービスを運用する場合は、サイトが重い・閲覧できない事態は避けたいところです。余裕あるメモリを確保するようにしてください。
また、ディスクの種類はSSDとHDDの違いが非常に大きくなっています。SSDはコストが高いですが速度が早く、ソフトウェアやアプリの読み込みに影響します。基本的にはHDDではなく、SSDをおすすめします。
安全性
サーバーの利用規模が大きくなるほど、トラブル発生時の影響も大きくなります。このため、注意しなければならないのがサーバー自体の安全性です。
レンタルサーバーはウェブサイトの公開やメールの利用といったインターネットを使ったサービスを提供するので、外部からサイバー攻撃を受ける可能性があります。攻撃を受けた場合はサーバーが使えなくなり、業務に大きな支障が出てしまいます。まずはセキュリティ面がしっかりしたVPSサービスを選ぶ必要があります。
加えて、攻撃に備えた防御措置やバックアップといった準備をしておくとより安全です。多くのサーバー業者ではセキュリティサービスを扱っていますし、バックアップ代行などの対応もしてくれます。
コントロールパネルの使いやすさ
使い勝手や効率を重視するならば、コントロールパネル(サーバー管理画面)の操作性のよさから選ぶのもおすすめです。
コントロールパネルの操作が分かりやすいかどうかは、初心者には特に重要です。わからない点を気軽に問い合わせられるサポートが手厚いサービスかどうかも、チェックすべき点です。
多くのVPSサービスではPleskを採用していますので、一度Pleskの操作に慣れてしまえば後々便利です。
おすすめのVPSサーバー6選をご紹介
本項では、おすすめのVPSサーバーを6つご紹介します。
- ConoHa VPS
- ServersMan@VPS
- さくらのVPS
- GMOクラウドVPS
- KAGOYA CLOUD VPS
- スピーバー VPS
ConoHa VPS
ConoHa VPSは、国内No.1のユーザー数を抱えているVPSです。圧倒的なパフォーマンスの高さと使いやすさが人気の理由となっています。月額上限ありの従量課金制ですので、数時間だけの用途でも、安く利用できます。
おすすめポイントをまとめます。
- 管理画面が使いやすい
- 時間単位の料金体系が便利
ConoHa VPSのスペックは、下記のとおりです。
初期費用 | 無料 | 無料期間 | なし |
月額費用 | 682〜53,900円 (税込) | ディスク種類 | SSD 30GB~100GB |
メモリ | 512MB〜64GB | SSL証明書 | あり |
CPU | 1〜24コア | サポート内容 | 電話・メール・チャット |
ServersMan@VPS
ServersMan@VPSは、月額385円から利用できる業界屈指の安さが魅力のVPSです。低価格ながらVPSのメリットである管理者権限を利用できますが、CPUが共有でディスクがHDDのため、スペックを気にせずに低価格でVPSを利用したい方におすすめです。
お進めのポイントは下記です。
・月額料金が非常に安い
ServersMan@VPSの詳細は、下記をご覧ください。
初期費用 | 無料 | 無料期間 | なし |
月額費用 | 682〜53,900円 (税込) | ディスク種類 | HDD 5〜200GB |
メモリ | 256MB〜4GB | SSL証明書 | あり |
CPU | 共有 | サポート内容 | メール |
さくらのVPS
さくらのVPSは、ホスティング事業会社として国内トップクラスのさくらサーバーが運営している、安定性・信頼性が抜群のVPSです。データセンターは自社運用で技術者が24時間365日サーバーを監視してくれるので、万が一の障害発生時も安心です。
ポイントをまとめました。
・24時間監視で安定性抜群
・無料お試し期間あり
さくらのVPSのスペックは下記の表をご覧ください。
初期費用 | 無料 | 無料期間 | 2週間 |
月額費用 | 643〜30,800円 (税込) | ディスク種類 | SSD 25〜1600GB |
メモリ | 256MB〜4GB | SSL証明書 | あり |
CPU | 1〜10コア | サポート内容 | 電話・メール |
GMOクラウドVPS
GMOクラウドVPSは、クラウド事業を広く展開するGMOグローバルサインが提供するVPSです。多機能コントロールパネル「Plesk」を利用できます。Pleskはコマンド操作不要でサーバーの設定ができるので、初心者の方でも効率的に運用ができます。
ポイントは下記の2点です。
・Pleskでコマンド操作なし
・サーバー稼働率99.99%保証
GMOクラウドVPSのスペックは下記のとおりです。
初期費用 | 無料 | 無料期間 | 2週間 |
月額費用 | 968〜20,768円 (税込) | ディスク種類 | 50〜300GB |
メモリ | 1〜32GB | SSL証明書 | あり |
CPU | 2〜10コア | サポート内容 | 電話・メール |
KAGOYA CLOUD VPS
KAGOYA CLOUD VPSは、1990年代からサーバー事業の実績があるカゴヤ・ジャパンのVPSです。どのプランも低コストながらスペックが高く、コストパフォーマンスに優れます。
料金体系は1日単位の従量課金かつ月額上限ありと柔軟な形になっていて、短期間の利用から本格的な長期利用までさまざまな用途に活用できます。
ポイントをまとめます。
・1日単位の従量課金制
・メモリーもディスクも大容量で高コスパ
KAGOYA CLOUD VPSのスペックは下記のとおりです。
初期費用 | 無料 | 無料期間 | なし |
月額費用 | 550〜26,400円 (税込) | ディスク種類 | 25〜200GB |
メモリ | 1〜32GB | SSL証明書 | あり |
CPU | 1〜12コア | サポート内容 | 電話・メール |
スピーバー VPS
Speever(スピーバ―)は、弊社、ライド株式会社が提供するレンタルサーバーです。
レンタルサーバー事業歴16年のスピーバーは、導入実績は2万社を超えます。十分なスペックを備えており、サーバー管理ツールPleskを利用できます。
専門知識がなくても、安定したサーバー運用を実現できます。さらにスピーバーの電話サポートは、お客さまからの満足度が高く、ご好評いただいております。
スピーバー VPSのスペックは、下記の表をご覧ください。
初期費用 | 3,300円 | 無料期間 | なし |
月額費用 | 3,740~20,900円(税込) | ディスク種類 | 50〜200GB |
メモリ | 2〜16GB | SSL証明書 | あり |
CPU | 1〜8コア | サポート内容 | 電話・メール |
初めてVPSを利用される方でも、細かな設定までしっかりサポートいたしますので、VPSをご検討であればぜひ一度お問い合わせください。