1つのサーバーを複数人で共有して利用する「共用サーバー」。運用や管理の手間を省け、安価で導入できるのが特徴です。共用サーバーは、費用や容量、サポート内容等がサーバー業者によって異なります。そのため「サーバーそれぞれの特徴を比較したうえで慎重に選びたい!」と考えている人も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、企業向けレンタルサーバーサービスを提供するスピーバーが、共用サーバーを選ぶときに押さえておきたいポイント6つをご紹介します。さらに、おすすめの共用サーバーを徹底比較していきますので、ぜひ参考にしてください。
共用サーバーの比較ポイント6つ
まず、共用サーバープランを比較するうえで重要な6つのポイントをご紹介します。ただし、用途によって最適なサーバーは異なるため、これからのサイト運営で何を重要視するかを考える必要があります。今回は主に中小企業向けに、独自ドメインを使ったメールアドレスの利用と会社紹介のホームページ公開といった一般的な使い方を想定し、重要な点をピックアップしました。もしも、あなたが共用サーバーを検討している中小企業の方であれば参考になるはずです。
- ポイント1:費用
- ポイント2:サポートの充実度
- ポイント3:プランの豊富さ
- ポイント4:サーバーの稼働率
- ポイント5:セキュリティ対策
- ポイント6:企業認証SSL証明書の対応
ポイント1
費用
まずは、最も分かりやすいポイントである「ランニングコスト」の話です。
共用サーバーをはじめとするレンタルサーバーは、毎月や毎年など契約期間に応じて継続して利用料を支払うサービスです。レンタルサーバーは目に見えないサービスですが、実際は大きなコンピューターであり、パソコンと同じように容量やスペック等が決められています。そのため、提供されるサービスごとにスペックが違い、スペックが高いほど、比例して利用料も高くなります。
仮にスペックが低くても、用途次第では充分に利用可能な共用サーバーも多くあります。高額なサービスになればなるほどスペックが上がり、サービスに対する満足度も上がるでしょう。ただ、自社の運用の仕方がそこまでスペックを必要としないものであれば、高額なサービスでは過剰スペックになってしまう可能性も十分にあります。
ポイント2
サポートの充実度
次にチェックしておくべきポイントは、カスタマーサポートがどれだけ充実しているかです。「サポート」と一言でいっても、その中身は“問合せ手段”、“営業時間の長さ”、“サポート範囲の広さ”や“対応品質”などにより差が出ます。
例えば、問合せ手段は主に「電話」「メール」「チャット」の3種類がありますが、安価になるほど、問合せ手段に電話がないケースが増えてきます。
電話対応の有無は、レンタルサーバーの知識が少ない方ほど重要です。なぜなら、初心者がよく陥りがちな「何が分からないか分からない」というような状況では、問題となっている事象・不明点をメールやチャットなどの文章で伝えるのは大変だからです。電話であれば、その場でサポート側が相手にヒアリングをし、聞きたかったことを導き出してくれるでしょう。
ポイント3
プランの豊富さ
多くのレンタルサーバー会社では、レンタルサーバーのプランを複数用意しています。複数用意する目的は、さまざまなニーズに対応するためです。用途によって、大容量のサーバーが必要なケースや専門的で高スペックな機能が必要なケースもあります。
プランが1つしかなければ、そのプランのスペックで要件を満たせる方のみに限定されてしまいます。このときに、必要最低限だが安価な下位プラン、高スペックで少し高額な上位プランがあれば、使い方に応じて選択肢が広がり、より多くの方に選んでいただけるはずです。
ポイント4
サーバーの稼働率とセキュリティ
共用サーバーを選ぶ場合は、サーバー稼働率もチェックしておきましょう。もし、あなたが過去にレンタルサーバーを契約した経験がなければ、”サーバー稼働率”という言葉は恐らくご存じないと思います。サーバー稼働率とは、ある期間を対象にサーバーが正常に稼働していた割合を表したものです。サーバー稼働率が低めな場合、サーバーダウンなどトラブルが多くなる傾向があります。
近年、物理的なサーバー機器の品質は向上しており、故障等のトラブルは起きにくくなっています。このため、サーバー稼働率を公開しているレンタルサーバー業者において、稼働率はほぼ99%以上です。稼働率を公開しているのは、安定稼働をしている自信のあらわれだといえるでしょう。
お試し利用ならともかく、仕事で使っている場合、メールやホームページ公開が停止すると業務に大きな支障が出る可能性があります。
ポイント5
セキュリティ対策
共用サーバーを選ぶうえで、セキュリティ面は重要なポイントです。セキュリティ面の強化は、サーバーの安定稼働やユーザーの安心感に直結するためです。
近年、サイバー攻撃は増加傾向にあり、攻撃を受けてしまい意図的にサーバーがダウンさせられてしまう事象も比例して増えています。悪意あるサイバー攻撃を辞めさせることはできませんが、攻撃が来てもサーバーを停止させない、あるいは停止しても復旧までの時間を早くするなどの対策を、サーバー会社は行っています。
ただ、このような対策はユーザーにとって意識しづらい部分です。ユーザーが意識しやすいのは、やはりメールとホームページの公開に関するセキュリティ面でしょう。
ここで触れたい”セキュリティ”とは、メール・ホームページに関する身近なセキュリティです。結論から言いますと、身近なセキュリティに対応できるサービスが装備されている(または対応可能なサービスが提供されている)サーバー業者を選んでいくべきだと考えます。
まずは「メール」。社会人の多くが使っていて、セキュリティに関するトラブルが起きやすいツールです。代表的なトラブルを挙げると「受信メールによるPCのウィルス感染」と「メール誤送信による情報漏えい」です。
メールによるウィルス感染を防ぐには、受信者自身も「怪しいメールは開かない」など意識的に警戒することが必要ですが、そもそも届かないようにセキュリティブロックの設定をしておくこと重要です。
メールの誤送信は誰にでも起こりうるものです。この記事を読んでいる方の中にも、誤送信をしてしまった方はいると思います。何でもないメールであれば大きなトラブルにはなりませんが、仮に誤送信した情報が個人情報や契約情報等であった場合、最悪のケースとして事業の停止や倒産につながります。
メール送信における送信内容(宛先・件名・本文・添付ファイル)の操作は送信者自身に大きく依存するため、送信者一人ひとりの注意に頼るのは限界があります。できれば、自動的に誤送信を防ぐ方法を導入し、セキュリティ強度をあげていくのがベターでしょう。
ホームページはメールよりも目立ったトラブルは少なめな傾向があります。ホームページに関するトラブル例としては、「不正侵入によるホームページの改ざん」が挙げられます。原因はさまざまありますが、ホームページデータの入っているサーバーに対する外部からの悪意ある不正侵入によって、ホームページの内容が書き換えられてしまう事案は多々あります。
初めからセキュリティ面がしっかりしている共用サーバーを選べば、こうしたトラブルを未然に防ぐことができるといえるでしょう。
ポイント6
企業認証SSL証明書の対応
企業認証型SSL証明書は、SSL証明書のうちの1つであり、認証されている範囲が広めになっています。企業としてホームページ制作を考えるのであれば、企業認証型SSL証明書を導入できるサーバー会社を選ぶべきです。
そもそもSSL証明書をご存知でしょうか? SSL証明書とは、SSLと呼ばれるインターネット上の通信内容を暗号化する仕組みを使い、第三者機関が“そのホームページ(ドメイン)は安全である”と証明するものです。
SSL証明書にも認証範囲の種類があり、価格が変わってきます。企業認証型SSL証明書は暗号化されている証明だけではなく、そのホームページ(ドメイン)を保有している企業自体の存在も証明しています。そのため、企業認証型SSL証明書を導入することにより、より信頼性の高いサイト構築が可能になるのです。
実は、会社のホームページであっても、個人が運営者で会社は実在しないといったケースもあり、そうしたホームページはネット上で信頼性が疑われます。企業認証SSLは企業の実在を証明するものなので、個人では取得ができない証明書です。
そのため、企業認証SSL証明書がホームページに適用されている場合、その企業が存在しているのを第三者機関が証明しているわけなので、信頼度が高くなります。
これから会社のホームページを公開するのであれば、予算の許す範囲で企業認証SSL証明書を検討すべきです。ただ、企業認証SSL自体の取得を扱っていないサーバー会社もありますので、企業認証SSLを検討する際は、まずは利用予定のサーバー会社が企業認証型SSL証明書を扱っているか確認しておきましょう。
おすすめの共用サーバーを徹底比較
ここからは、おすすめの共用サーバーを6サービスご紹介します。各社とも、費用・スペックにはさまざまな違いがあります。共用サーバーをお探しの方は、ここまでのポイント6つを念頭に置き、何を重視すべきか考えたうえ、ぜひ下記サービスを比較してみてください。
- さくらインターネット | スタンダード
- エックスサーバー | スタンダード
- ロリポップ | スタンダード
- CPI | シェアードプラン SV-Basic
- カゴヤ・ジャパン | S22
- Speever | シンプル
さくらインターネット | スタンダード
https://www.sakura.ne.jp/standard.html
初期費用 | 1,048円 | 月額費用 | 524円 |
ディスク容量 | 100GB | サーバー稼働率 | 99.99% |
セキュリティ | WAF / 国外IPアドレスブロック | バックアップ | あり |
SSL証明書提供 | あり※1 | サポート体制 | 電話・メール |
※1:無料SSL(Let’s Encrypt)の提供あり
さくらインターネットは、物理的なサーバーを管理するデータセンターを自社で運営しています。レンタルサーバーを一度でも検討しようとすれば、調べる中で必ずといっていいほど候補にあがるレンタルサーバー業界の大手企業です。「スタンダードプラン」は、共用サーバーとしては安価で、スペックは高めです。電話サポートにも対応しています。
エックスサーバー | スタンダード
初期費用 | 3,300円 | 月額費用 | 1,100円※1 |
ディスク容量 | 300GB | サーバー稼働率 | 99.99% |
セキュリティ | WAF / 国外IPアドレスブロック | バックアップ | あり |
SSL証明書提供 | あり※2 | サポート体制 | 電話 / メール |
※1:契約期間が12カ月の場合
※2:無料SSL(Let’s Encrypt)の提供あり
エックスサーバーはレンタルサーバーの国内シェアNo.1をうたっているサーバー業者です。もし他社サービスと比較して、安さやスペックではなく「利用者の多さ」を重要視されるのであれば、エックスサーバーがおすすめです。利用者が多いため、口コミや操作方法などの情報も調べやすいでしょう。安価にも関わらず、「サーバー容量が大きい」「メールアドレスの登録数に上限ない」「電話サポートあり」と充実したサービス内容です。
ロリポップ! | スタンダード
初期費用 | 1,650円 | 月額費用 | 440円※1 |
ディスク容量 | 300GB | サーバー稼働率 | 99.99% |
セキュリティ | WAF/Web改ざん通知 | バックアップ | なし※2 |
SSL証明書提供 | あり | サポート体制 | 電話|メール |
※1:契約期間が36カ月の場合
※2:有料のバックアップオプションあり
ロリポップ!は、レンタルサーバー業界において安価なサーバーの代表格です。ご存知の方も多いでしょう。ドメインキング同様GMOインターネットグループが提供しています。「スタンダードプラン」はメールアドレスを無制限で、サーバー容量も大きめです。さらにサポート体制は電話とメールが対応可能です。
CPI | シェアードプラン SV-Basic
初期費用 | 0円※1 | 月額費用 | 4,180円 |
ディスク容量 | 500GB※2 | サーバー稼働率 | 100% |
セキュリティ | WAF / Web改ざん検知 | バックアップ | あり |
SSL証明書提供 | あり※3 | サポート体制 | 電話|メール |
※1:契約期間が12カ月の場合
※2:ウェブサーバー:300GB、メール:200GB
※3:40,700円相当のSSL証明書を1枚無料提供中
CPIはKDDIグループのホスティング専門ブランドです。月額費用だけをみると他のレンタルサーバーより高めに感じるかもしれませんが、高機能なセキュリティサービスが標準搭載されています。サーバー容量は500GB(ウェブ:300GB メール:200GB)と大容量です。セキュリティ重視の企業におすすめです。
カゴヤ・ジャパン | S22
https://www.kagoya.jp/shared3g/plan.html
初期費用 | 3,300円 | 月額費用 | 1,760円※1 |
ディスク容量 | 310GB※2 | サーバー稼働率 | 99.99% |
セキュリティ | WAF|IPS※3 | バックアップ | あり(10GBまで無料) |
SSL証明書提供 | あり※4 | サポート体制 | 電話|メール |
※1:契約期間が12カ月の場合
※2:Webサーバー 200GB、データベースサーバー 10GB、メールサーバー 100GB
※3:IPSは不正侵入予防システム
※4:無料SSL(Let’s Encrypt)の提供あり
カゴヤ・ジャパンも、さくらインターネット同様に自社でデータセンターを保有しており、さまざまな用途に応じたサーバーを提供しています。「S22」プランは法人向けのサーバーの中では安価であり、WAFやIPS等のセキュリティ機能が標準提供されています。WordPress専用サーバーといった特殊プランも提供されていますので、WordPressを使う予定の方は一度チェックしてみてはどうでしょうか。
Speever(スピーバー) | シンプル
初期費用 | 0円 | 月額費用 | 1,540円 |
ディスク容量 | 50GB | サーバー稼働率 | 99.99% |
セキュリティ | IPS|IDS※1 | バックアップ | なし※2 |
SSL証明書提供 | あり | サポート体制 | 電話|メール |
※1:IPSは不正侵入防止システム、IDSは不正侵入検知システム
※2:有料オプションでの提供はあり
Speever(スピーバ―)は、弊社、ライド株式会社が提供するレンタルサーバーです。16年にわたって共用サーバーをはじめとしたレンタルサーバーの提供を続け、導入実績は2万社を超えます。シンプルプランは初期費用がないので、レンタルサーバー導入時のハードルが低めです。
共用サーバー 比較表
“おすすめの共用サーバーを徹底比較“でご紹介した6つの共用サーバーを一覧表にしました。
比較検討の参考情報としてご活用ください。
会社・ブランド名 | さくらインターネット | エックスサーバー | ロリポップ | CPI | カゴヤ・ジャパン | Speever |
---|---|---|---|---|---|---|
プラン名 | スタンダード | スタンダード | スタンダード | シェアードプラン SV-Basic | S22 | シンプル |
初期費用 | 1,048円 | 3,300円 | 1,650円 | 0円 | 3,300円 | 0円 |
月額費用 | 524円 | 1,100円 | 550円 | 4,180円 | 1,760円 | 1,540円 |
ディスク容量 | 100GB | 300GB | 200GB | 500GB | 310GB | 50GB |
サーバー稼働率 | 99.99% | 99.99% | 99.99% | 100% | 99.99% | 99.99% |
セキュリティ | WAF/国外IPアドレスブロック | WAF/国外IPアドレスブロック | WAF/Web改ざん通知 | WAF/Web改ざん検知 | WAF/IPS | IPS/IDS |
バックアップ | あり | あり | あり | あり | あり | なし |
SSL証明書提供 | あり | あり | あり | あり | あり | あり |
サポート体制 | 電話/メール | 電話/メール | 電話/メール | 電話/メール | 電話/メール | 電話/メール |
共用サーバーのおすすめならスピーバーへ
最後に1分だけ、弊社サービスであるSpeever(スピーバ―)を紹介させてください。
前述の「おすすめの共用サーバーを徹底比較」で触れたとおり、スピーバーはライド株式会社が提供するレンタルサーバーです。スピーバーの共用サーバーでは企業に必要な機能・スペックを搭載していますが、さらなる強みが「サポート体制が充実している」点です。電話サポートはもちろん、導入前のご相談から導入後のご利用に至るまで何度でもお問合せいただけます。
弊社サービスをご利用の方の中には、レンタルサーバーが初めてのお客さまも多くいらっしゃいます。レンタルサーバーの利用を検討しているが、どんなドメインがよいかわからない、どの位のスペックがあればよいのかわからない、など悩みがあれば、ぜひお問合せください。
共用サーバーを初めてご検討いただいている企業の方、個人・個人事業主の方、スピーバーのサービスをぜひご検討ください。また他社の共用サーバーと比較する中で不明点があれば、お気軽にお問合せください。電話でお問合せいただければ、自慢のサポート体制の良さを実感いただけるはずです。