この記事の目的
今やビジネスにおいてコンピュータ・情報・通信などを中心とする「IT用語」に対する知識は欠かせません。
あまり馴染みがない各分野のIT用語を、なるべく専門用語を使わずに解説していきます。
この記事の対象読者
Web制作を始めたばかりの人。
自社のWebマーケティングを任された人。
専門用語についていろいろ知りたい人。
Webマーケティングを行なっているが、言葉の定義を再確認したい人。
など、Webに限らずDXに携わるすべての方に。
jQueryとは
jQueryは、JavaScriptライブラリの1つであり、複雑なJavaScriptコードの記述の簡素化など、開発の効率性を高めるために作成されました。ページの動的なエフェクト、アニメーション、ユーザーインタラクションの改善、Ajax通信の簡素化、DOM操作の簡素化など、多数の機能があります。
jQueryのメリット
jQueryは学習が容易なでありながら、Web開発の高速化やコードの簡略化に役立つ便利な機能が多数用意されています。
シンプルな文法
jQueryはJavaScriptの記述よりも短くシンプルなコードで書くことができます。
HTML要素の選択
jQueryの場合：
| $(“#example”) |
JavaScriptの場合：
| document.getElementById(“example”) |
CSSスタイルの変更
jQueryの場合：
| $(“#example”).css(“background-color”, “red”); |
JavaScriptの場合：
| document.getElementById(“example”).style.backgroundColor = “red”; |
イベントの処理
jQueryの場合：
| $(“#example”).on(“click”, function() { alert(“Clicked!”); }); |
JavaScriptの場合：
| document.getElementById(“example”).addEventListener(“click”, function() { alert(“Clicked!”); }); |
要素の追加と削除
jQueryの場合：
| $(“#example”).append(“<p>Hello World!</p>”); $(“#example p:last-child”).remove(); |
JavaScriptの場合：
| var element = document.createElement(“p”); element.textContent = “Hello World!”; document.getElementById(“example”).appendChild(element); document.getElementById(“example”).lastChild.remove(); |
どのブラウザでも使える
JavaScriptは同じコードでも、ブラウザによって動作が異なる場合があります。これは各ブラウザがJavaScriptエンジンを異なる方法で実装しているためです。したがって開発者はブラウザごとの動作の違いを意識してコードを書く必要があります。
jQueryを使えばこの問題は解決します。jQueryはInternet ExplorerやFirefox、Chrome、Safari、Operaなど、主要なWebブラウザで動作しますので、開発者がブラウザ対応を意識することなく、共通のコードで動作します。
jQeuryのデメリット
jQueryは役立つことが多いですが、デメリットもいくつかあります。
パフォーマンスの低下
jQueryは他のJavaScriptのライブラリと比べると、読み込みに時間がかかります。またjQueryは複数の関数を使用することで機能を実現しているため処理が重くなりがちで、Webサイトのパフォーマンスが低下する可能性があります。
サポートの問題
2023年現在、jQueryの最新バージョンは3.xシリーズですが、2.xシリーズも依然として使用されています。ただし、2.xシリーズはサポートが終了しており、セキュリティ上の脆弱性やバグの修正などのサポートがされていません。そのため、Webサイトを作成する場合には、最新バージョンの3.xシリーズを使用する必要があります。
まとめ
jQueryは、2006年に登場して以来、Web開発において非常に重要な役割を果たしてきました。しかし、近年では、jQueryの代替となる新しい技術やライブラリが登場し、jQueryの影響力は低下しているといわれています。
例えば、最近のWebブラウザでは、jQueryで実現していた機能が標準的にサポートされるようになってきました。また、JavaScriptのフレームワークやライブラリによっても、jQueryに代わる機能が提供されています。
しかし、それでもjQueryは、多くのWeb開発者に愛用されており、多くのWebサイトやアプリケーションで使用されています。今後も、jQueryが完全に消滅することはなく、特に既存のWebサイトやアプリケーションのメンテナンスやアップデートにおいて、引き続き重要な役割を果たすことが予想されます。
