はじめに
まだ以下の記事をお読みいただいていない方は、本稿より先にそちらをお読みください。


DNSBL または RBL とは
DNSBL(DNS Blackhole List)またはRBL(Real-time Blackhole List)とは、スパムメールを送信(あるいは中継)していると疑われるIPアドレスをまとめた、いわゆる「ブラックリスト」です。
しばしば迷惑メール遮断ソフトなどによって、迷惑メールであるか否かを判断するのに利用されます。
(なお”RBL”は登録商標である” MAPS RBL”から取られた言葉ですので、本稿では以後、一般名詞としての”DNSBL”という言葉を使います)
代表的なDNSBLサービス
DNSBLは、インターネット上のさまざまな迷惑メール対策団体によって独自に作成されています。以下に紹介するのはいずれも海外のサービスですが、国内外を問わず広く参照されています。特にSpamhausは非常に利用されているサービスです。
【Spamhaus】
【SpamCop】
【BarracudaCentral】
また上記以外にも、メールサービス(GmailやOutlook.comなど)が独自にブラックリストを持っていることもあります。
DNSBLに登録されるとどうなるのか
送ったメールが相手先から迷惑メールであると判断されます。
送ったはずのメールが相手方のメールボックスに届いていない、調べてみると、メールボックスの手前で迷惑メールと判断され遮断されていた、さらに調べると、送信メールサーバーのIPアドレスがDNSBLに登録されていた、という障害が、しばしば見受けられます。
DNSBLに登録されているかを調べるには
DNSBL毎に異なりますが、たいていの団体ではチェッカーが用意されています。
例:Spamhausのブラックリストチェッカー
あるいは、(DNSBLの名前の通り)DNSを調べることでもチェックできます。
例えばIPアドレス” 203.0.113.1 “がSpamhausに登録されているかは、DNSで以下の名前解決をすることで調べることもできます。
1.113.0.203.zen.spamhaus.org
それ以外にも「親切な」迷惑メールフィルターであれば、DNSBLの登録が迷惑メールの判断基準であった場合、エラーメールにその旨を記載されることがあります。
Service unavailable; Client host [203.0.113.1] blocked using bl.spamcop.net
DNSBLに登録される理由
「身に覚えがないのにDNSBLに登録されてしまった」とDNSBL団体に問い合わせたとしても、迷惑メール配信者がDNSBLをすり抜ける情報になり得るため、各DNSBL団体が詳細な登録理由を開示することは、通常ありません。
しかしながら概ね、以下のような理由が考えられます。
- 共用サーバーで、同じIPアドレスを利用している他のユーザーが迷惑メールを配信していた
- 一部のメールアドレスのパスワードが漏洩したり、ウェブのメールフォームが悪用されたりなどして、意図せずに迷惑メールを配信していた。
- 会員/顧客向けのメール一斉配信で、配信リストをメンテナンスせず、既に受取りを希望しない相手や、存在しないドメイン/メールアカウントに配信し続けていた。
- 何かの間違いでスパムトラップ(迷惑メール団体が秘密裏に用意した「罠の」メールアドレス)にメールを送ってしまった。
DNSBLからIPアドレスを削除するには
これもDNSBL毎に異なりますが、たいていの団体では異議申し立てができるフォームが用意されています(例えば前述のSpamhausであれば、チェッカーでリスト登録されたことがわかれば、そこから異議申し立てできます)。
もし、いわゆる共用サーバーを利用している場合は、その管理業者に調査/リスト削除をご相談ください。