はじめに
まだ「DNSとは(リンク:https://speever.jp/useful/glossary-dns/)」の記事をお読みいただいていない方は、本稿より先にそちらをお読みください。
hostsファイルとは
hostsファイルとは、端末に存在する、名前解決を行うための設定ファイルです。
「DNSとは」の記事で述べたとおり、端末がホスト名とIPアドレスの組み合わせを確認する(名前解決)際には、その組み合わせの対応表を管理しているDNSサーバーを探し、そこに問い合わせます。
しかし、端末のhostsファイルにこの組み合わせの対応表を記載しておくと、端末はDNSサーバーに問い合わせることなく、名前解決ができるようになります。
言い換えれば、その端末だけの優先DNSサーバーのようなものを設定しておくことができると言えるでしょう。
hostsファイルの用途
元々hostsは、DNSという仕組みができる以前に名前解決を行う仕組みでした。
しかし、インターネットが普及しドメインの数が膨大になるにつれて、個々の端末が名前解決を行うことが現実的ではなくなったために、現在ではDNSで名前解決することが一般的になりました。
現在ではhostsは、DNSの変更に先立って、DNS変更した場合の検証を行うという用途にしばしば利用されます。
例えば、https://www.example.com/ というURLでWordPressサイトを運用しているウェブサーバーを、サーバーAからサーバーBに変更することを想定しましょう。
サイトデータをサーバーAからサーバーBに移行し、DNS切り替えた時に、もし、移行時のミスなどがあればWordPressが正しく動作しない場合があります。
そこで、検証用の端末を用意し、そのhostsファイルを変更しておけば、その端末でのみDNS変更されたかのように動作検証を行うことができる、という塩梅です。
hostsファイルの場所
hostsファイルの場所は、OS毎に異なりますが、一般的に以下の場所にあります。
Windows
C:\WINDOWS\system32\drivers\etc\hosts
Mac
/private/etc/hosts
UNIX/Linux
/etc/hosts
hostsファイルの編集方法
hostsファイルそれ自体はテキストファイルなので、(Windowsであれば「メモ帳」などの)テキストエディタで編集できます。
ただし、多くの場合は端末の管理者権限が必要です。もし管理者ユーザーでない場合は、端末の管理者にご相談ください。